チャボ



深川景義

 昭和3年 (1928)

 西ケ原刊行会

 

 鶉チャボ(カシキ統)

      褐色、白色、黒色、赤色

 瑠璃チャボ

 尾曳チャボ(おびきチャボ)

 簑曳チャボ

 尾丸矮鶏(一名原統)

 


  鶉チャボ

    珍種で、今日各方面に飼はれて居るが、逸品は得難い。

   土佐の原産で尾無しである。

 

  瑠璃チャボ

    土佐の原産で黒色で青味を帯びた光沢を有し、

   昔は一升枡に三羽入つたといふ最小の珍種であるが、

   現在は全く滅亡して居る。

 

  尾曳チャボ(おびきチャボ)

    鶉チャボに似たもので、尾を二三尺も曳いて居る珍種である。

 

  簑曳チャボ

    尾曳チャボに似たもので、簑羽が一二尺も地を曳いて居る

   美事なものである。

 

  尾丸矮鶏(一名原統)

 

 雄の形状

一、頭、小。

二、嘴、細長。

三、眼、大にして張る。

四、冠、単冠にして整然たる五歯。

五、肉髯及耳朶 肉髯は大さ中庸にして円く、耳朶は大にして楕円形。

六、頸 太く、短く、程よく湾曲し、頸羽夥多にして長く、よく背を覆

  ふ。

七、背 稍長く、広し、鞍羽、簑羽は夥多にして長し。

八、胸 円くして突出す。

九、翼 大にして長し。

一〇、尾 大にしてよく開張し、主尾羽は四十五度の角度をなし、謡羽

  及覆尾羽は長く能く湾曲し、主尾羽を蔽ひ側面より見れば円形を呈

  する。

一一、体躯及軟羽 体躯は稍長く充実し、軟羽は稍短し。

一二、脚及趾 腿は小にして長さ中庸、脛は寧ろ細くして短く、趾は真

  直に開張す。

 

 雌の形状

一、頭、嘴、眼は雄に同じ。

二、冠、小にして五歯。

三、肉髯 は小にして円く、耳朶は大にして楕円形。

四、頸 能く湾曲し、大さ中庸にして頸羽夥多。

五、背 寧ろ長く、尾根に向ひ凹斜向上す、鞍羽夥多なり。

六、胸 円くして突出す。 

七、翼 大にして長し。

八、尾 長さ適度にして能く開張し、覆尾羽は長く能く湾曲し、主尾羽

  を全く蔽ふ、側面より見れば球形を呈す。

九、体躯及軟羽 体躯は稍長く充実し、軟羽は寧ろ短かし。

一〇、脚及趾 雄に同じ。

 

 標 準 体 重

雄   二百 匁   雌   百七十匁

若雄  百七十匁   若雌  百三十匁

 

 雄の色沢

一、頭 濃赤栗色。

二、嘴 黄色若くは黄色に角色の條線あり。

三、眼 赤色。

四、顔面、冠、肉髯 は鮮赤色。耳朶は白色。

五、頸 頸羽は濃赤栗色にして各羽の中央に黒色の縦斑あり、他は黒色。

六、背 濃赤栗色、鞍羽は頸羽に同じ、岬羽は黒色。 

七、胸 緑黒色。

八、翼 主翼羽及副翼羽は黒色にして下端に濃褐色の縁あり、覆翼羽は

  緑黒色にして褶むときは翼を横断して羽面に劃然たる翼閂を現す。

  翼肩は濃赤栗色。

九、尾 主尾羽は黒、謡羽及覆尾羽は緑黒色。

一〇、体躯及軟羽 黒色。

一一、脚及趾 腿は黒色。脛及趾は黄色若くは帯黒黄色。 

 

 雌の色沢

一、頭 赤色。

二、嘴 雄に同じ。

三、顔面、冠、肉髯、耳朶 雄に同じ。

四、頸 頸羽は赤黄色にして各羽の中央に緑黒色の縦斑あり、他は胸に

  同じ。

五、背 暗赤褐色にして各羽に稍不鮮明なる二條の黒色條斑あり、羽軸

  は淡し。 

六、胸 背に同じ。

七、翼 主翼羽は黒色、副翼羽は黒褐色にして下端に褐色の細條斑あり、

  他は暗赤色にして各羽に稍不鮮明なる二條の黒色條斑あり、羽軸淡

  し。

八、尾 背に同じ。

九、体躯は胸に同じ、軟羽は暗褐色。

一〇、脚及趾 腿は暗赤色にして、脛及趾は黄色若くは帯黒黄色。