土佐地鶏(土佐小地鶏)



 有史以前から我が国に存在していたニワトリの子孫である「地鶏」の一品種として飼育されてきた高知原産の在来鶏種。

昭和16年に地鶏として岐阜県三重県と共に国の天然記念物に指定されました。


土佐地鶏の図

 

万葉集品物図絵 

鹿持雅澄(かもちまさずみ)著 (1791~1853)

 

鶏の鞍部から尾への移行部分に綿毛が見られず、高知の飼育者が地鶏を評価する視点と一致している。 


地鶏(ジトリ)の呼称変遷について

 

 本朝食鑑  元禄10年 (1697) 丹岳野必大千里 著

 

   大抵平生養う所の者 俗に呼びて地鳥(チトリ)と称す

 

 本草綱目啓蒙  文化2年(1805) 小野蘭山

 

   伊勢物語に多くカケと書せり 即ち古俗名なり 今は地鳥と云い

 

 梅園禽譜  天保10年(1839)序 

  毛氏江元寿梅園直脚<毛利梅園>//撰輯

 

   鶏 ニワトリ ジトリ  油トリ

 

 家禽審査法標準 明治30年12月  東京家禽雑誌社

 

   地鶏

 

 日本家禽全書 明治38年1月 発行 日本家禽協会

        明治39年2月 再版

 

   地鶏(ぢとり)と称す

  

 家禽図鑑  昭和8年発行  三井高遂・衣川義雄 著

 

   土佐地鶏 Tosa-Jitori 

 

 日本鶏 昭和24年8月 加藤遜後

 

   地鶏(ぢとり)

   

   小地鶏(Ko-jitori)

 

 日本鶏の歴史 増補版(昭和26年刊) 小穴 豹 

 

   地鶏(ぢとり) 

 

   小地鶏(コヂトリ) 

 

 日本鶏審査標準  平成9年版 全国日本鶏保存会

 

   地鶏(jidori)

 

   小地鶏(Kojidori)

 

 高知県では地鶏じとりと読み、じどりとは濁らない。

 



 本邦家禽審判法 明治24年 日本家禽協会

 

 地鶏を我が国における最も古い鶏種の品種名とする事に定め、日本家禽協会制定の本邦家禽審判法にその標準を掲げた。古代からのニワトリのみに限られ、その特定の鶏種を指すのである。 

 

 地鶏という名称は漸く徳川時代に入ってつけられたもので、地は土着、土地、地方の意である。当時は外来鶏に対し、古い鶏種全体をさしており、その中には小国も含まれていたが、その後に至り、それ等とシャモとの雑種をも地鶏と呼んだ。

 



 日本家禽全書 再版 明治三十九年二月 日本家禽協会

 

 本種は本邦に於ける最も古き一種にして単に地鶏(ぢとり)と称す、本種に就ては今其沿革を知るに由なきを以て果して日本固有の鶏なるや否やを断定する能はざるも本邦に於て野鶏を馴致し以て今日に至れるものの如し

 

 体量五百匁内外を有し、頭は中形にして嘴は淡黄色なり、黄赤色を呈し、冠は単にして大ならず鋸歯浅くして成立せり、肉髯及び耳朶は小にして円く、冠、顔面と共に其色鮮紅なり、頸は稍湾曲し、頸羽能く肩を覆ひ褐色を呈す、背は稍凹形(なかびく)をなし尾に向て斜向す、胸は円平にして黒色なり、腿中等にして脛細く、四趾を有す、脛趾は共に黄色なり 

 

 体量三百匁を有し、雄に比すれば全体に於て小なり、頭及び頸は褐色或は暗褐色にして斑点あり、背部は淡褐色斑紋あり、胸は背部に比し色稍淡し、尾は比較的長く煤暗褐色を呈し斑紋を有す、嘴及び脛趾の色は共に雄に同じ

 



 尾長鶏並に諸鶏の記(五十嵐文書) 五十嵐正龍 記 大正12年      

 

 地鶏(ぢとり)身体に大小の数種あり 毛色も種々あり 此鶏は多種にして沢山なり 品位に劣るを以て面白みすくなし されどもめずらしきものなり

 



 家禽図鑑 三井高遂・衣川義雄 著  昭和8年発行

 

   土佐地鶏 Tosa-Jitori

 

 最も原型的なるものにして小型であるが、現在に於いては体型に種々の変化を示し、最も原始的なるものは容易に発見し得ざる状態にある。

その羽色多くは褐色にして原鶏に似る。

耳朶の白色なることも印度支那の南部に産するガルス、ガルスに酷似している。

 

体型 原始的なるものは非常に減少したが、観賞用種として種々改良せし結果、蓑曳矮鶏の尾の形に似て優美なる尾形を有するものもある。土佐産の鶉矮鶏は明らかに地鶏よりの遇出にして、両者の中間型即ち鶉矮鶏に似て尾羽が少しく伸び出でて且つ下方に向けるものがあり、之を蝦尾矮鶏と云ふ。

 

羽色 褐色最も多けれ共、現在に於ては観賞用として種々なる羽色を生じた、即ち褐色・白藤・白・黒・碁石・桜碁石・源平である。此等の中、白藤は長尾鶏の白藤と同一にして、他は矮鶏の羽色と同様である。

 



 日本鶏の歴史  (昭和18年刊)

 

  小地鶏といふのは雄ニ百五十匁、雌ニ百二、三十匁程度のものの事である。

 地鶏は単冠を頂く。其の耳朶の色は赤色で、脚の脛と趾の色は黄色であるのが、中には耳朶の白いもの・・・・・・なども居る。

 

 本種は現今左記数箇所に於てのみ純粋種が保存されて居る。

  普通地鶏(赤笹種、黄笹種) 岐阜県郡上郡八幡町附近

  同   (猩々種)       三重県宇治山田市附近

  小地鶏 (赤笹、黄笹、猩々、黒色、白色、碁石、白笹) 高知県 

 



 日本鶏 加藤遜後 (昭和24年8月) 

 

 小地鶏と呼ばれるものが高知県の山間地方にいる。

これは雄の体重二百二十匁、雌二百匁位で大きさはチャボ位に見える。

 

本種の原種は赤笹種であるが、その他に黄笹、猩々種、黒色種、白色種、

碁石種、白笹種等のものがある。

単冠を頂き、耳朶の色は赤色で足の色は黄色であるのが普通である。

 



 日本鶏之歴史 増補版(昭和26年刊)

 

 小地鶏(コヂトリ)というのは雄二百四、五十匁、雌二百二、三十匁程度のものである。

 

 赤笹及び猩々小地鶏  高知県下

 



  

 土佐地鶏の羽色は褐色と白色の内種がいる。