飼ひ鳥 七講(上)

第三講 チャボの種類と飼ひ方 三井高遂  大正15年(1926)



 

鶉矮鶏

 土佐に鶉矮鶏といふのがあります。これは東京で見る矮鶏とは全然趣を異にしてをりますが、大きさだけが矮鶏と同じやうに小さいといふのを以て、廣い意味で矮鶏の仲間に入れてをるのであります。

 又尾無矮鶏とも呼ばれてをります。言ふ迄もなく尾がないところからかう名づけられたのであります。

形が鶉に似てゐるのでかう名ずけられたのでありますが、この名は新しくつけられたもので、明治四十年頃まではカシキ統と云はれてゐたものでありますが、これは土佐以外には全然居らないものでありまして、珍鶏の一つに数へられてをります。

 


 

簑ひき矮鶏

 簑ひき矮鶏は前の鶉矮鶏に長い尾をつけたものであります。その尾は直立しないで、水平になってゐます。二三尺も長く地に曳き摺るつてゐて、大変美しいものであります。羽は褐色であります。

やはり土佐が原産地であります。