土佐地鶏 


 土佐地鶏はすべてが単純で原始的なところを貴ぶ、体は軽小で羽毛が短く、きりっと締まっているのを特徴とする。

 

  内種    褐色種、白色種

  標準体重  雄  750g  雌 600g

  失格条項  (1) 耳朶の色が3分の1以上白いもの。

        (2) 脛の色が黄色以外のもの。


イ.土佐地鶏の形状 

 

 

    性
部 位  
  大きさ中等で円く。顔は中等で円い。
  単冠で大きさ中等、頭上に緊着直立し、整然と5歯に分裂する。
   冠葉は余り頭形に従わない。
肉  髯   大きさ中等、楕円形、円滑。
  大きさ中等、基部太く、尖端ほどよく湾曲する。 
  大きさ中等、よく張る。
耳  朶   中等大の楕円形、平滑。
  短く太い、頸羽豊かで肩を被う。
躯  幹   方形、よく充実する。 
  広く,後方に緩く傾斜し、鞍羽豊富。
  水平で胸との移行は円滑。
  やや大きく、よくたたみ、翼尖は垂下して腿を覆う。
  尾の角度は水平に対し40度、謡羽の長さ中等で中央部より
   尖端に向かい緩やかである。
脚 ・ 趾   腿及び脛の長さ中等、趾は真直ぐでよく開張する。

    性
部 位  
  大きさ中等で円く。顔は中等で円い。
  単冠で小、頭上に緊着直立し、整然と5歯に分裂する。
肉  髯   小さく、半円形。
  大きさ中等、基部太く、尖端ほどよく湾曲する。 
  大きさ中等、よく張る。
耳  朶   小さく、円形。
  短小、頸羽中等。
躯  幹   方形、よく充実する。 
  広く,後方に緩く傾斜し、鞍羽豊富。
  水平で胸との移行は円滑。
  やや大きく、よくたたみ、翼尖は垂下して腿を覆う。
  尾の角度は水平に対し30度、主尾羽はやや長い。
脚 ・ 趾   腿及び脛の長さ中等、趾は真直ぐでよく開張する。


ロ.土佐地鶏の色沢

 

    性
部 位  
  赤褐色
冠 ・ 顔   鮮赤色
肉  髯   鮮赤色
耳  朶   鮮赤色
  橙黄色 
  橙黄色
  赤褐色
  背及び鞍羽は光沢ある濃赤色。
  緑黒色 
  黒色
   翼前は黒色、肩及び翼肩は光沢がある濃赤色。覆翼羽は  
  緑黒色で鮮明な翼横帯を現し、副翼羽は外羽面褐色、
  内部面は黒色、主翼羽は外面黄橙色、内面は黒色である。
  緑黒色で羽軸は黄金色。
脚 ・ 趾   腿は黒色、脛及び趾は黄色。
根  色   石盤色

    性
部 位  
  赤褐色
冠 ・ 顔   赤色
肉  髯   赤色
耳  朶   赤色
  橙黄色 
  橙黄色
  淡橙黄色 、各羽の中央に黒色縦斑あるも尖端に至り消える。
 背    背及び鞍羽は褐色で黒色の細点斑若しくは、不鮮明な条斑を現し 、

 各羽毛の縁及び羽軸は淡褐色で、一見一様に光沢に富んで褐色

 である。

 胸 

  鮭色で腹に至るに従い漸次に淡く、両側は濃厚となる。各羽毛の羽

 軸は淡い        

 腹    灰褐色、後体の羽毛に褐色の細点がある。
  翼     肩、翼前、翼肩、覆翼羽及び副翼羽の表面は背に同じ、覆翼羽
   の内面は石盤褐色、主翼羽は石盤褐色で下端は淡褐色である。
  主尾羽は黒色、覆尾羽は淡亜褐色。
脚 ・ 趾   腿は黒色、脛及び趾は黄色。
根  色   石盤色


ハ.白色土佐地鶏の色沢

 

    性 雄・雌
部 位
冠 ・ 顔   鮮赤色
肉  髯   鮮赤色
耳  朶   鮮赤色
  黄色

  橙黄色。

脚 ・ 趾

  腿は白色、脛及び趾は黄色。

羽  装

  何れの部分も純白色。

根  色   純白色


        標  準  点  数

 

   部 位     形 状    色 沢     計

    均 整                 6

    体 重                 4

    状 態                 4

  頭  冠      10            10

    頭、顔     3     3        6

     嘴      2     1     3

  部  眼      2     2     4

    肉 髯     2           2

    耳 朶     2     2     4

     頸      4     4     8

     翼      4     4     8

  胴  背      6     4       10

     胸      4     4     8

  部  腹      3     3     6

     尾      6     4       10 

    脚、趾     4     3        7 

             合 計         100

 


 土佐地鶏は過去に赤色野鶏に似ていると言われて持てはやされた時代があったが、羽色は褐色であり赤色野鶏の羽色とは少し相違があるようである。

以前は濃褐色の鶏を良しとして品評会では上位入賞としていた、これは雄の黒胸に茶色が入るのを嫌った為であった。そして経年とともに着色部分は多くなる。

伝統的に現代でも一部に油、油赤と言う表現を使用する方がおられます。

 

 地鶏は野性味があり、その羽色は濃褐色が保護色として有利であるため生き残ってきたのだら、濃い方が良いとした時代もありましたが、愛玩、鑑賞鶏としてして見たとき姿形、色彩においても優美さが伴わなければなりません。

色彩表現は難しですが、緋赤と称される褐色系を理想とします。

 その姿態は単純かつ、古武士のような凛々しさ、雌には清楚さの趣が求められる。