鶉矮鶏


  鶉矮鶏の外形は鶉に酷似し、おおむね地低の度は軽いが、脚はなるべく

 短く翼尖が地に達するようなものが理想である。

 

  ○高知県 天然紀念物指定ノ件(昭和12年6月29日12兵第617号)

 褐色、白色、黒色、白藤、三色班(桜碁石)等ノ諸系統アリ矮小ニシテ尾骨並油壷ヲ欠キ・・・・・

 他内種に碁石、赤色がある。

 

  内種    褐色種、白色種、黒色、碁石、白藤、赤色、

  標準体重  雄  660g  雌 460g

  失格条項  (1) 耳朶の色が白色、淡黄白色以外、

           その3分の1以上赤いもの。

        (2) 尾羽を有するもの。



イ. 鶉矮鶏の形状

 

     性                

部 位
     大きさ中等で円い、顔はやや小さく円い。
     単冠で大きさ中等、頭上に緊着直立し、 整然と5歯に分裂し、
 冠葉は余り頭形に従わない。
 肉  髯   大きさ中等で円滑。
     短くほどよく湾曲する。
     よく張る。
 耳  朶   滑大で楕円形。
     短く、太く、ほどよくする湾曲する。頸羽は豊多でよく背を覆う。
 躯  幹   短く、充実し、円い。
       やや短く、広く、鞍羽豊富で蓑羽は腹に 向かって下方に湾曲し、
 後方より見たと きは球形をなす。
     円く充実する。
     やや短く充実し、軟羽は短い。
     大きく、よくたたみ、翼尖は垂下し、脛を覆う。
 脚 ・ 趾   腿及び脛は短い、趾は真直でよく開張する。

       性                

部 位
   頭  大きさ中等で円い、顔はやや小さく円い。
   冠  単冠で小さく頭上に緊着直立し、 整然と5歯に分裂する。
 肉  髯  小さく円滑。
   嘴  短くほどよく湾曲する。
   眼  よく張る。
 耳  朶  滑大で円い。
   頸  短く、太く、ほどよくする湾曲し、頸羽豊富。
 躯  幹  短く、充実し、円い。
   背  やや短く、広く、鞍羽豊富で後部の羽毛は腹に向かって下方に
湾曲し、後方より見たときは球形をなす。
   胸  円く充実する。
   腹  やや短く充実し、軟羽は短い。
   翼  大きく、よくたたみ、翼尖は垂下し、脛を覆う。
 脚 ・ 趾  腿及び脛は短い、趾は真直でよく開張する。


ロ.褐色鶉矮鶏の色沢 

                性
部 位  
 赤栗色
 冠 ・ 顔   鮮赤色
肉  髯  鮮赤色
 黄色若しくは角色で尖端は黄色を帯びる。 
 赤色
耳  朶  白色若しくは淡黄白色
 
 頸羽は光沢に富み赤栗色で下部に至るに従いやや薄い、

その他は黒色(咽喉部)

 

 背   光沢に富んだ赤栗色、鞍羽は赤栗色、蓑羽は赤栗色である。
 胸   漆黒色、若しくは緑黒色 
 黒色
 翼   
 翼前は黒色、肩及び翼肩は光沢に富んだ赤栗色。覆翼羽は緑黒色
で鮮明な翼横帯を表す。副翼羽は外羽面褐色で三角羽を現し、

内部面は黒色、主翼羽は黒色で下端は褐色である。

 

 脚 ・ 趾    腿は黒色、脛及び趾は黄色。
根  色   石盤色

 


                   性  雌 
部 位  
 褐色
 冠 ・ 顔   赤色
肉  髯  赤色
 黄色若しくは角色で尖端は黄色を帯びる。 
 赤色
耳  朶  白色若しくは淡黄白色
 頸 

 

 頸羽は橙黄色で各羽の中央に黒色縦斑があって先端に至って消え、

その他は淡鮭色(咽喉部)

  背  

 

    背及び鞍羽は褐色で黒色の細尖斑若しくは不鮮明な条斑を現し、

各羽の縁及び軸は淡褐色で一見一様に光沢に富んだ褐色である。

 

   鮭色で腹に至るに従い、漸次に淡く両側は濃厚となる。

各羽毛の羽軸は 淡い羽面より淡い。

 

 灰褐色、後体の羽毛に褐色の細点斑がある。

 背 

 

    背及び鞍羽は褐色で黒色の細尖斑若しくは不鮮明な条斑を現し、

各羽の縁及び軸は淡褐色で一見一様に光沢に富んだ褐色である。

 

  脚 ・ 趾    腿は灰褐色、脛及び趾は黄色。
 根   色   淡石盤色


ハ.白色鶉矮鶏の色沢

 

                    雄・雌

部 位  
 純白色
冠 ・ 顔  鮮赤色(雄)・淡赤色(雌)
肉  髯  鮮赤色(雄)・淡赤色(雌)
 黄色 
 赤色
耳  朶  白色
 頸 

 純白色

 背 

 純白色

 胸 

 純白色

 腹 

 純白色

 翼 

 純白色

 蓑  羽 

 純白色

 脚 ・ 趾 

 黄色

根   色

 純白色



ニ.黒色鶉矮鶏の色沢

 

     性                 雄・雌

部 位  
 光沢に富んだ緑黒色
冠 ・ 顔  鮮赤色(雄)・淡赤色(雌)
肉  髯  鮮赤色(雄)・淡赤色(雌)
 黄色 
 赤色若しくは赤栗色
耳  朶  白色若しくは淡黄白色
 頸 

 光沢に富んだ緑黒色

 背 

 光沢に富んだ緑黒色

 胸 

 光沢に富んだ緑黒色

 腹 

 光沢に富んだ緑黒色

 翼 

 光沢に富んだ緑黒色

 蓑  羽 

 光沢に富んだ緑黒色

 脚 ・ 趾 

 黄色

  根   色  

 純黒色



ホ.三色斑鶉矮鶏雌雄の色沢

 

   褐色鶉矮鶏と同じ、ただ各羽の尖端に鮮明で大きい白点現わす。

  

   雄の胸羽は黒色に赤色を交え尖端白点に終わるのもよい。

 

   雌の胸羽は背羽と同じ羽色を表すもよい。


へ.碁石鶉矮鶏雌雄の色沢

 

     性                 雄・雌

部 位  

 羽毛の先端に鮮明な大白点がある。

冠 ・ 顔  鮮赤色(雄)・淡赤色(雌)
肉  髯  鮮赤色(雄)・淡赤色(雌)
 黄色 
 赤色若しくは赤栗色
耳  朶  白色若しくは淡黄白色

 羽毛の先端に鮮明な大白点がある。 

 羽毛の先端に鮮明な大白点がある。

 羽毛の先端に鮮明な大白点がある。 

 羽毛の先端に鮮明な大白点がある。 

 羽毛の先端に鮮明な大白点がある。 

蓑     羽

 羽毛の先端に鮮明な大白点がある。 

脚 ・ 趾

 黄色

根   色

 黒色


ト.補足

 鶉矮鶏の内種に各羽色がありますが、五色種は白藤種の作出、固定上の副産物であり、雌の羽色を特定して繁殖させているものではない。

黄笹種と称しているものも、雌の固定が出来ていない。五色、黄笹種共に内種間雑種と呼ぶべき段階でしかない。

 本保存会では褐色、白色、を基本種として完全な黒色、碁石、白藤、赤色の各内種の復元を行っています。


        標  準  点  数

 

   部 位     形 状   色 沢     計

    均 整                5

    体 重                3

    状 態                5

  頭  冠        10          10

    頭、顔        3     3    6

     嘴        2     1    3

  部  眼        2     2    4

    肉 髯       3            3

    耳 朶       3     4    7

     頸        4     4    8

     翼        4     4    8

  胴  背        3     3    6

     胸        4     4    8

  部  腹        3     3    6

    蓑 羽       4     4    8

     尾       -       -      -

    脚、趾       5      5     10 

              合 計          100

 


 

黒色種

 

 冠・肉髯の過大、耳朶の白色不足、蓑羽が丸羽となっている。

嘴・脛・趾を黄色に改良を進めなければならない。

 

 

碁石種

 

 

 鶉矮鶏の碁石種は流れ碁石種の鞍羽を基本とする。

 黒羽の先端が白色となり、この白色部分が大きいこと。

 

 雌は丸羽種の雌と区別がつかなので、注意が必要である。

 

 

碁石種

 

 雄の蓑羽が雌性羽(丸羽)となるのは、尾を有しない鶉矮鶏では姿態の優美さを損なう。

 

 

 三色碁石種 雄

 

  三色碁石矮鶏との雑種鶏、耳朶を白色にすること。

 羽色の改良が必要。

 

       三色碁石種 雌

 

        褐色、黒色、白色が一枚の羽面に

       着色しなければならない。




白藤種

 

 雄の翼肩、三角羽の着色不足。雌は胸が白化し過ぎている。


赤色種

 

 猩々種と言ってもよい羽色であるが翼の黒色を除去する必要がある。脚が短いため体型が前傾姿勢、蓑羽が長すぎる。

 


 ○高知県 天然紀念物指定ノ件(昭和12年6月29日12兵第617号)

 

 古来土佐ニ飼養セラルルモノニシテ褐色、白色、黒色、白藤、三色班(桜碁石)等ノ諸系統アリ矮小ニシテ尾骨並油壷ヲ欠キ我国特有ナル家禽ノ一トシテ著シキモノナリ


 

鶉矮鶏審査の要点

 

1. 体重が標準体重を超えないこと。

2. 姿勢が前屈していないこと。

3. 褐色とは赤笹羽色に対して黒色縦斑のないものを言う。

4. 冠は単冠五歯で倒れていない。

5. 耳朶は白色。

6. 蓑羽は長からず、地に接するを良しとする。

7. 脚は短脚を必要とせず。

8. 褐色雌鶏の羽色は赤笹梨地型であること。

 

欠点

 

1. 姿勢前屈。

2. 冠が倒れている。

3. 耳朶に赤色が入っている。

4. 黒胸に他色のサシ毛が入っている。

5. 白色および黒色鶏にサシ毛が入っている。

6. 雌雄出品のとき雌鶏の臀部の羽が切られている。

7. 手入れ不十分